レナ
レナ。とてもくせがあっておもしろい人だ。
よっぽど奇抜な集団と時間を共に過ごしたことでもない限り、一度会って話したらまず忘れないだろう。そんな人だ。“レナ”という一つのキャラクターやワールドができあがっていて、それがびんびんと伝わってくる。隙を感じさせなく、独特なオーラがあり、自由を愛するところから、アーティスト肌だ、と私は勝手に思っている。映画と本をこよなく愛し、それらをよく選び、よく鑑賞し、よく吟味し、批判し、学び、消化していっている。
嗜好がはっきりとしている。食に関しては、基本的に好き嫌いはないが、内臓系など臭みのあるものは好み、ゆでたイカとタコは好まない。生のコリアンダーは食べない。2年間モカにはまった末、今はホットチョコレートにはまっている。モカはしばらくもう飲まない。自分に合う黒いワンピースを探している。なかなか見つからなく、そろそろ見つからないものだろうか、と真顔で言う。探して2年間が過ぎてしまったという。
そんなすてきな彼女は、年齢不詳だ。16歳でも36歳でも通るだろう。実のところ、私と同い年だ。小柄でくりんとした目からは意外なほど低くてモノトーンな声の持ち主。教養や知識を尊重し、大事にし、遊んでちゃらちゃらしている時間があるなら本を読む。と、よく口にするし、実際にそうなのだろう。その証拠に、話していて飽きがこない人だ。好きなことはとことん極めていくし、その能力もあるし、努力する。
そんな魅力的な彼女は、落ち着いた口調にしては辛辣な言葉を放つ。もちろん、嘲りやこきおろしはない。甘すぎないところが彼女のチャームポイントなのだ。そして「日本」のこととなると、柔軟に広く受け止めるというよりかは、精密な観察ぶりと鋭い切り口で批判構えた話し方をする。彼女の日本像はあくまでも断片的な一部でしかはないし、多少個人的な体験が影響しているのではないかと伺えられつつも(このキャラが日本の現地の中学校に通っていたという―水と油のように合わなかっただろうことは一目瞭然)、海外にいるからこそ見える日本、露呈される日本の特徴をしっかりと見ている。なんだかんだいって日本が好きなんだと思う。と、勝手に解釈しちゃってる。
もうすぐこっちの大学を卒業し、先のことを考えている。「自分はこういう人間だからこういう場所の方がよい」とあくまでも自分のスタイルを貫き通すつもりだ。自分というものを削ってまで環境に合わせるより、小さなところでもレナがレナであり続ける場所を断固として求めていきたいという。彼女なら見つけることができるだろう。理想だけで走らない慎重派だし、彼女に選択肢はたくさんあるし、選んでしまえば彼女のものだ。とりあえずもうすぐで帰国するらしい。レナ的パンチをきかせてたくさんの人に刺激を与えていってほしい。がんばれ、レナ。
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